
どうも、ハマちゃんです。今回はわさびについて解説します。
❶わさびの品種の違い
❷わさびはなぜ辛いのか
❸わさびをなぜ寿司に使うのか
❹わさびの選び方・保存方法など
目次
わさびの種類や選び方・保存方法

わさびの種類や選び方や保存方法などについて寿司屋の僕が解説します。
わさびはお造り、お寿司を食べる際にかかせません。
一般家庭でよく使われるチューブのわさびはホースラデッシュという東ヨーロッパ原産の植物を使用し作られています。ホースラデッシュは日本原産の山葵と比べ、栽培が簡単で沢山の収穫が可能です。
日本の山葵と同じで辛味成分はアリルイソチオシアネートという揮発性の精油成分です。
要するに、本わさびとかかれていないチューブのわさびはワサビであって山葵じゃない
という事です。お寿司屋さんでよく見る上の画像のようなわさびが日本原産の山葵です。
①江戸時代、静岡県の有東木で自生していたのを移植栽培し始めたのが発祥。
②品種改良により、沢の近くの畑で栽培される畑わさびもあります。
※本来の沢で栽培される沢わさび、水わさびが基本的な栽培方法
③わさびは春になると花を咲かせます。わさびの花は春の訪れを告げる立派な食材
わさびの品種の違い
わさびの品種には大きく分けて2種類存在します。
実生系わさび
生育が早く、1年ほどで収穫できる実生系
特徴は生育期間に対して大きく成長する
ことです。
真妻系わさび
生育が遅く、収穫までに2年ほど要する真妻系
特徴は生育に時間がかかるため、生産者が極めて少ない事と希少価値から実生系より高価で質も高い
ことです。
違いの説明
僕の感じる1番の違いは、粘りとほのかな甘味
です。
実生系は手頃な価格で手に入りますが真妻に比べると少し水っぽく、粘りが弱いです。又、ほのかにある甘みが感じにくいと思います。
真妻系は辛味が強く、その辛味の先にほのかな甘みがあり、よく粘ります。ただ、少し値がはります。
わさびはなぜ辛いのか
生理学定義で見ると味覚というのは、苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種類にわかれます。
辛味というのは味覚ではなく、痛覚で感じます。
通常動物たちにとっては辛さは痛さ。
辛味を持つ食べ物は食べられないものと認識します。そのため、山葵は自身を食べる害獣から身を守るため
に辛く進化したといわれています。
面白いことにわさび自身もその辛味成分により自家中毒
を起こし大きく育つ事ができません。それを予防するには常時水で洗い流していないといけない為、山葵は沢で栽培されるのです。
動物たちはその辛味を嫌い食べませんでしたが、人間だけはわさび独特のツーンとくる辛味を美味しいと感じたのです。わさびにとっては不覚ですね。
わさびをなぜ寿司に使うのか
なぜ寿司や、生魚を食べる時に山葵を使うようになったのでしょうか。
抗菌作用
抗菌作用があります。
わさびには食中毒の元となる菌の繁殖をおさえる働き
があります。たまに弁当などにわさびの抗菌シートが入っているのを見た事がありませんか?
あれはわさびの抗菌作用を用いた物です。
消臭効果
わさびには消臭効果があります。
わさびの成分に消臭効果があるとされています。その為、魚の生臭さをかき消してくれる
のです。
わさびの使い方
現代の寿司にはそんなに必要のないのでは?との声もあるようですが、江戸時代から親しまれてきたわさび独特の風味が好きな日本人が多いこと、また生臭さが気になる人にはなくてはならない薬味です。
余談ですが、僕は寿司を握る際にはタネによってわさびの量を変えます。
寿司職人にとっては当たり前のことではあるのですが、わさびの量を調整することでわさびの風味が口の中で魚の脂を中和して、心地よく魚の脂から出る旨味を感じる事ができます。
質の悪い山葵を使用してしまうと、口の中で悪い意味で山葵が目立ち美味しくなくなるので美味しいお寿司を握るのには質の高い真妻わさび
が必須です。
わさびの選び方・保存方法など
ここからは実際にわさびを使う方むけに選び方、保存の仕方、擦り方についてご説明します。
わさびの選び方
色が鮮やかで綺麗な色の物
鮮やかな緑色をしているものが新鮮なわさびです。
その緑色が黒ずんだり、緑色が薄くなっていたりすることがあります。そういうものは鮮度が落ちてきていると言っていいでしょう。だからと言って辛味がなくなることはありませんが、選ぶ時は鮮度が良いにこしたことはありません。
凹凸の間隔と多い物
凹凸の多さを見ます。
わさびはゆっくり成長すればするほど身の詰まったわさびになります。その凹凸の間隔が狭く多いほどゆっくり成長していったことがわかるのです。
わさびの保存方法
わさびは乾燥を嫌うので、水をふくませたキッチンペーパーなどでくるんでラップでまいて冷蔵庫で保管します。
長期間保存したいときはコップに水を溜めて、その中につけて冷蔵庫に入れておけばわりと日持ちします。
わさびのすりおろし方
わさびは茎に近い方が辛味が強い
ので、茎の方から摩り下ろしていきます。
いかに細胞を細かく壊してあげるかがポイントなので、できるだけ細かい目のおろし金を使い、ゆっくり円を描くようにすりおろします。
寿司屋さんによってはさらに辛味を引き立てるために、摩り下ろしたわさびを包丁でたたいたり
して使うこともあります。そうすることで細胞を壊し、よりわさびの辛味を引き立てることができます。
わさびをすりおろす際には少し前までは「鮫皮おろし」というものがよく使われていましたが、最近では研究が進みステンレス製の「鮫鋼」が最も美味しくわさびがすりおろせると評判です。
「鮫鋼」でわさびを下ろすとわさびのクリーミーさが格段にアップします!
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わさびの種類や選び方・保存方法ーまとめ
僕たち寿司職人にとってかかせない存在のわさび。歴史も長く日本原産のわさびは2018年に『世界重要農業遺産 : GIAHS』に認定されています。世界から日本の農業は高い評価を受けています。
この技術を未来に伝えて行くためにも、美味しい山葵の事をもっと知っていただき伝えていきます。
これからもこういう想いを忘れず、寿司屋としてお客様に美味しいお寿司を提供していきます。
何か特徴や秘密などがあったりするのですか??