どうも、ハマちゃんです。今日はみんな大好き「ブリ」について解説します。
❶ブリの生態と習性
❷ブリのサイズごとの呼び名と地方名
❸ブランドブリについて
目次
ブリについて
ブリって魚。よくご家庭でも食べることがある身近な存在の魚だと思いますが、その生態や修正はとても面白いのにあまり知られていません。
そこで今回は僕が知って欲しいブリの特徴や秘密を掘り下げて解説していきたいと思います!
解説に入る前になぜブリという名が付いたのか。ブリの由来について触れておきましょう。
「フリウオ」→「ブリウオ」→「ブリ」
ブリは代表的な出世魚であることから、この説が有力だとされてます。
その他ブリは脂が多い魚である事から「アブラ(脂)」の「あ」を略し、崩して「ブリ」となった説や、雪の「降り」積もる季節に旬を迎えることに由来するなどの説があります。
またブリを漢字で書くと「魚」へんに「師」と書きます。これはブリの旬が「冬」だということで、12月(師走)の「師」が魚へんとくっついてこう書かれるようになったと言われることが多いです。
英名では「Japanese amberjack」
ブリの生態と習性
では、本題のブリの特徴について掘り下げていきましょう。
ブリの生態
ブリの分布、産卵、食性について。
分布
分布は広く日本では北海道から九州で広く見られ、南西諸島(九州南端〜台湾にかけて連なる島々)でも稀にみられます。 海外では北はカムチャツカ半島沿岸(ロシア)、西は朝鮮半島東南沿岸(朝鮮海峡周辺)、南は東シナ海沿岸(九州、中国、韓国、台湾で囲う海)、西はハワイまでの北西太平洋と広く分布します。
ブリは日本近海の固有種
ブリは日本近海の固有種です。
その為ブリは九州から北海道まで日本全国に生息しています。そして皆さんもご存知の通り、全身に脂肪を蓄えている為、冷たい海でも活発に行動することが可能です。
産卵期と産卵場所
ブリの産卵場所は海水温が20℃前後ある南の暖かい海で、産卵期は3月〜7月ぐらいとされています。太平洋側は関東千葉県・房総半島以南、日本海側は石川県・能登半島以南の暖かい海で行われます。
具体的にいうと東シナ海沿岸、男女群島(五島列島南南西70km付近に浮かぶ無人島)、九州西岸~日本海西部域、九州南岸、土佐湾、伊豆、関東南岸域と広い地域で産卵が行われます。
産卵時期は地域によって若干ズレがあり、2月から7月までの長い期間で日本沿岸各地で産卵を行います。
●東シナ海、男女群島、九州南岸は2月から4月。
●土佐湾、伊豆、関東南岸では3月から6月。
●九州西岸、日本海西部域では5月から7月。
ブリの習性
ブリは成魚になると沖合の水深100mぐらいの中層〜底層を回遊していますが、稚魚は沿岸地域に浮く流れ藻などに居つく事が知られています。その様から日本各地で「藻雑魚(モジャコ)」と呼ばれます。
モジャコは食用になることはほぼなく、養殖の種苗(しゅびょう)として捕獲され養殖魚として育てられます。
食性
ブリの食性は肉食で、幼魚期は小魚やエビをはじめとした甲殻類を中心に捕食しますが、大きくなるとタコやイカ、アジ、イワシなどを捕食して生活しています。
天然物でも成長スピードが早く1年で30㎝前後、2年で50㎝前後、3年で65〜70㎝、4年で75㎝前後、5年で80㎝を超えてきます。
ブリの回遊
ブリはカツオやサンマ・マグロといった魚と同じように群れで大回遊する魚で、同じ種類に分類されるカンパチとヒラマサとはその点の習性が異なります。
群れの数は数百匹〜1000匹以上で、同じ群れで行動する個体のほとんどは同じ年級群の為、型も揃っています。
回遊ルート
基本的な回遊ルートは春から夏に沿岸域を北上し、初冬から春には沖合を南下します。
ただ例外も確認されており、温暖な海域で餌となる小魚がたくさんいるなど特定の条件が揃えば回遊せず「根つき」となるブリがいたり、瀬戸内海に入るブリもいるそうです。
サイズごとの呼び名と地方名
ブリには各地方で様々な呼び名があります。
その上、ブリは出世魚なのでサイズごとに呼び名も若干異なってきます。
関東地方
- 30cm未満ーワカシ
- 40cm未満ーワカシorイナダ
- 60cm未満ーイナダ
- 80cm未満ーワラサ
- 80cm以上ーブリ
関西地方
- 20cm未満ーワカナ
- 40cm未満ーワカナorツバス
- 60cm未満ーハマチ
- 80cm未満ーメジロ
- 80cm以上ーブリ
北陸
- 稚魚ーツバスorツバイソ
- 20cm未満ーツバス
- 30cm未満ーコズクラ
- 40cm未満ーアオブリ
- 60cm未満ーハナジロ
- 80cm未満ーガンドorブリ
- 80cm以上ーブリ
三陸
- 20cm未満ーコズクラorショッコ
- 30cm未満ーフクラギorフクラゲ
- 40cm未満ーアオブリ
- 60cm未満ーハナジロ
- 80cm未満ーガンドorブリ
- 80cm以上ーブリ
九州
- 20cm未満ーワカナゴorヤズ
- 40cm未満ーハマチ
- 60cm未満ーメジロ
- 80cm未満ーブリ
- 80cm以上ーブリ
その他
その他、各地方により聞いたこともないような呼び名をする場所もあります。
和歌山県では30cmサイズの物を「イナダorイナラ」などと呼び、京都では稚魚の事を「モジャコ」、80cm未満の大型の物を「マルゴ」と呼んだりします。
これらの呼び名が少しずつ違うのは、ブリの成長段階でかなり味わいが変わってくる事から各地で呼び名を変えて区別していたからです。今ほど情報交換が可能であればこんなことも起こらないでしょう。
ブランドブリについて
ここからは知名度の高いブランドブリについて紹介していきます。
富山県・氷見の寒ブリ
ブリといえば「氷見」ですね。氷見と名前がつくだけで、値段がバーンと上がってしまうほどの価値があります。もちろん他のブランドブリとの区別もされています。
「氷見寒ブリ」であることの販売証明書がつけられ、専用の統一デザインの青い発砲スチロールに入れられて出荷されます。
氷見に美味しいブリが集まる理由はブリの習性によって、水温が急激に下がって波もきつくなる大寒の時期に新潟県佐渡あたりから富山湾近郊に南下してきます。
富山湾は豊かな自然に囲まれており「天然の生簀」と呼ばれることもあるほど最高のエサ場です。日本海の厳しい荒波と低い海水温でしっかりと身がしまり脂質を蓄えたブリが、波が比較的穏やかで栄養も豊富な富山湾内に入ってくるとより一層食欲も増し、極上の脂ノリと身質になっていくそうです。
石川県・能登半島のブリ
氷見の寒ブリと同じ海域で取れる石川能登のブリも最高級の評価を得ています。
水揚げされる場所が違うことにより、ブランド力は氷見に比べると多少弱くなりますが、氷見の寒ブリと全く同じブリです。
各地の養殖ぶり
鹿児島県・鰤王
「鰤王」は鹿児島県は長島町の特殊な「漁場環境」と、魚を新鮮・安全に出荷する「加工技術」に定評があり、日本一の生産量を誇っています。
大分県・かぼすブリ
「かぼすブリ」は大分県が日本一の生産量を誇る“かぼす”(全国9割)を食べて育ったブリです。
柑橘系の抗酸化作用をもつかぼす果汁や、かぼすの皮を粉末にした物もまぜた餌を食べることにより、より鮮度を長く保つことができ、くさみのないブリになるそうです。
愛媛県・戸島一番ブリ
愛媛県宇和島市から西へ20kmの宇和海国立公園内に位置する島「戸島」
絶え間なく潮の流れが変化する漁場で養殖された「戸島一番ブリ」は運動量が豊富なため、身は尾の付け根までしっかり引き締まっており、ドリップが少ないのが特徴だと言われています。
【出世魚】ブリの特徴や習性【寿司屋が解説】:まとめ
ブリについてまとめてみました。
寿司も美味しいし、刺身もいい。焼いても、煮ても美味しいブリ。
ぜひ色んなブリを食べてみてください。
ブリは日本人にとって身近な魚で、私も大好きな魚ですが、実はどんな魚なのか全く知りません。。
生態や特徴などをわかりやすく教えてください。