寿司屋のガリの作り方【由来・正体】

職人の技術



悩む人
なぜ寿司にガリがついてくるのかまた、なぜガリっていうのか??
教えてください。

どうも、ハマちゃんです。今回は寿司屋で必ず提供するガリについて解説します。

ーこの記事を読むとわかる事ー
❶ガリの由来について
❷現代のガリの立ち位置・なぜ食べるのか
❸寿司屋のガリの作り方

寿司屋のガリの作り方

今日は寿司屋に行けば必ず口にするガリの作り方について解説します!

お店によって味付けも酢の甘さも、生姜の辛みの残し具合も全く違い、色んなガリの味付けの方法があります。

でも、なぜ寿司にガリがついてくるのか?また、なぜガリっていうのか??など不思議な事で知らないことも多いかとおもいますので、それらのついても掘り下げていきたいとおもいます。

寿司屋のガリはなぜガリと言うのか

寿司屋のガリについて、まず由来を知りましょう!

ずばり『噛むとガリガリするから』なのです。もしくは職人が包丁を入れた時の“ガリガリという音からその名がついたと言われています。

昔は寿司屋さんだけで使われる専門用語でしたが、最近では“生姜の甘酢漬け”を総称してガリと呼ぶようになって来ました。

なぜ寿司屋で生姜の甘酢漬けを食べるようになったのか

それは今でこそお口直しの為と言われていますが、寿司屋がファストフードとして流行り始めた江戸時代にまで遡るとこんな説もありました。

おしぼり替わり

当時はおしぼりなんてありません。

そこで手で摘んで食べる屋台寿司が主流だった当時は、ガリを摘む事で手を消毒していたのです。

ー生姜の効能ー
生姜には殺菌作用の他、抗炎症作用、血液サラサラ作用、血行促進作用など体に良さそうな効能がたくさんあります。

指を湿らせる為

そのまま寿司を摘むとシャリが指にくっつく為、ガリで指を湿らせてから寿司を摘んだとも言われています。

当時の人が考えた知恵ですが、斬新です。。

現代のガリの立ち位置

昔は消毒やお寿司を食べやすくするための知恵として活用されてきたガリですが、現代ではその意味合いは変わってきています。

というのも今では必ずおしぼりも出てきますし、手を洗いたければ洗えます。消毒をわざわざガリを使ってしなければいけないなんて事もまずあり得ません。

現代の位置付けとしてはお口直しと殺菌作用の役目を担っているのです。

本当にお口直しなのか

ここからは僕の考察ですが、今でも当時の名残でガリを出しているだけなんではないかとおもってます。そのガリを出す理由の後付けで、お口直しを付け加えただけではないかと思っています。

ガリでお口直しなります?

ガリがずっと口引っ張りませんか?

クセになって無駄にガリ摘んでしまいませんか?

それって単にガリが美味しいからなのではないかと僕は思っています。

ガリも寿司屋の一品の一つという事です。その店のシャリの味とのバランスをとって味付けされていたり、店主の好みがあったりと店によって味は異なります。

ガリの味付けに注目するのも寿司屋の楽しみの一つです。

寿司屋のガリの作り方

ここからはせっかくなので僕がやるガリの作り方について解説してみます。

春先から初夏にかけて新生姜が出回りますので、その時期に新生姜の甘酢漬けをぜひ作ってみてください。

まず寿司屋で提供するガリの正体は“新生姜の甘酢漬け”です。

ー新生姜と、土生姜の違いー
新生姜ー土生姜の新芽で、水分量が多く繊維が柔らかい。辛味も少ない為、そのまま食べる事が可能。
土生姜ー新生姜とは部位が違う他、2,3ヶ月貯蔵する為水分量が変わり、繊維も強く辛味も強め。薬味や、肉や魚の臭み消しに使われることが多い。

新生姜は繊維が柔らかく、辛味も強くない為そのまま調理して使用することができます。

寿司屋ではこの時期の新生姜をガリとして仕込み、お客様に提供します。

では、作り方を解説していきます。

寿司屋のガリについて(手順)

❶好みの配合で甘酢を作ります。

目安(穀物酢1,800ml、砂糖1kg)を生合わせでも構いませんし、酢が飛ばない程度に火にかけて砂糖をとかしても大丈夫です。

❷新生姜の皮をむく。

包丁で丁寧に皮を剥いていきます。包丁の扱いに慣れていない方はスプーン等を使って皮をこそぎ取ってもいいです。凹凸の部分が剥きにくい場合は、凹凸の部分だけ包丁で切り落としてもいいです。

❸サイズを整えます。

※生姜の形を残したまま酢漬けにしますので、スライスにはしません。スライスにしたい場合はここでスライサーや包丁でスライスにしてもOK

❹サイズを整えたら、塩漬けにして余分な水分を抜きます。

※1時間半〜2時間:2時間経った頃には生姜が浸るぐらいの水分が生姜から出てきていると思います。

ー塩を当てる意味ー
ここで塩を当てることで、余分な水分が抜けるのと同時にアクが抜けるのと、塩味の下味がつくので甘酢がなじみやすくなります。

❺流水で塩を抜きます。

長時間、塩につけておくと余分な水分は抜けますが、その分塩が生姜に浸透していますので流水で塩を抜きます。塩につけた時間と同じぐらいの時間を目安にしてください。(塩に1時間漬けたなら、流水塩抜きも1時間)

❻たっぷりのお湯にお酢を入れ(水4:お酢1)、下茹でします。

ここで下茹ですることで色が鮮やかになるのと硬さを調整できます。軽く押して曲がるくらいまでの硬さが目安ですが、好みの硬さに慣れば大丈夫です。

❼硬さが丁度いいぐらいになったら、冷水で粗熱をとり最初に作った甘酢につけたら完成です。

ースライスにしない理由ー
スライスにしない理由は食感をコントロールする為です。お客様の好みや生姜の繊維に応じて太めにカットしたり、薄めにカットしたりすることで程よい食感を楽しんで頂けます。

寿司屋のガリの作り方【由来・正体】:まとめ

ガリがガリガリという音から名付けされている事や、江戸時代に手の消毒や殺菌するために寿司屋で提供し始めたなど、普段何気なく食べているガリも先人の知恵からの名残なのです。

僕が皆さんにお伝えしたいのは寿司屋のガリも一品という事です。

そのガリにこだわりを持って提供するしないも寿司屋によって違いますが、色んな思いや趣向あってのその店のガリです。今後寿司屋さんに行かれる際はガリにもぜひ注目してみてください!

まずは好みを知る事です!甘いのが好きなのか、辛味が残ってる方が好きなのか。

ではこの辺りで。