春子鯛(カスゴ)について

豆知識



どうも。ハマちゃんです。

今回は春の時期によくお寿司屋さんでよく耳にする、春子と書いて“カスゴ”と読むこのお魚について解説していきたいと思います。

カスゴカスゴて言うけど、その正体は?正式名称は?と一度でも気になった事のある方、カスゴを寿司として食べた事のある方はぜひこの機会にこの記事を読んで、覚えてって行ってください!!

ずばりカスゴの正体は、、

鯛の稚魚です。つまり“小鯛”です。

とは言え、鯛は鯛でも11種類ほど存在します。その11種類いる中の3種類の鯛の稚魚(マダイ、キダイ、チダイ)の総称を“カスゴ”と言います。

春子鯛(カスゴ)について知る

名称ー春子鯛 又は春小鯛

特徴❶ー多く出回るのは3月〜5月だが、全国を通して一年中入手できる。

特徴❷ーサイズは10㎝〜15㎝程度の物で、そのサイズになるまでに1年ほどかかるといわれている。

まずは春子鯛の特徴をおさえましょう!!

上の写真のように手のひら1枚かそれよりも小さいサイズのものをカスゴと言います。

旬は特にありません。脂のノリを比較するような魚ではありませんので、年中入手が可能です。ただ春子と書くぐらいですので、やはり春に季節の訪れと同時に多く出回る印象を持ちます。

あっさりした味わいで、みずみずしい身が特徴です。

みずみずしい身というのは、言い方を変えると扱いにくいと捉える事もできます。幼魚の為身が柔らかく、すぐに身が割れてしまいます。寿司屋ではカスゴのような身質の魚でも一手間加え、美味しく食べていただく技術があるのでよく使われますが、一般家庭で使用する場合はもう少し大きめの小鯛(20㎝くらい)を使用する事をお勧めします!

春子鯛(カスゴ)の名前の由来

気になるのは春子鯛(カスゴ)の名前の由来ですよね。

春子と書く為、春に生まれる鯛の子供と思われている方がほとんどです。しかし、実際にはカスゴサイズまで成長するには1年程かかるといわれている為、春に生まれる鯛の子供は食べることはできません。。

では、なぜ春に子と書いてカスゴなのか。

春(かす)という字が使われるのは“春日神社”が関係しているとされる説が有力とされています。

とすると春日神社に御供物として小鯛を奉納していた事から春(かす)という字を使ってカスゴと呼ばれていると言うことになります。

問題なのは“子”の字、、、僕の考察ではありますが、本来は“子供の子”ではなく“小鯛の小”で春小鯛でカスゴだったのではないかと思います。

そう考えると“春日神社にお供えされた小鯛→春小鯛”“春に旬を迎える小鯛→春小鯛”として成り立ちますよね。その春小鯛が語源となり、春子鯛と呼ばれるようになったのだと考えています。

この呼び名から春に旬を迎えると思われているカスゴですが、実際には春が旬とも限りません。とは言え、春を連想させる魚のイメージとして異論はありませんし、実際に現代では春の訪れと同時によく見かけるようになります!!

僕も3月〜4月はカスゴを寿司タネに使用します

☆POINT☆
①カスゴは春が旬とは限らない。
②春日神社が語源となり、春小鯛→春子鯛。
③春の食材としてよく使用される。
④春に生まれる鯛の子供は小さすぎて食べられない。

春子鯛(カスゴ)の旬と食べ方

春子鯛(カスゴ)の旬と食べ方についてですが、前述したようにカスゴの旬は春とは限りません。一部の地域にてその時期に多く獲れたことにより、春のイメージがついたものと思われます。実際には年中日本のどこかで多く獲れる時期があり、そのカスゴが売りに出されるかどうかは漁師さん次第だと思われます。

とは言え、春に需要が集中するのは間違いありません。春の魚としてのイメージはこれからも変わりなく残り続ける物だと思います!

そんなカスゴの食べ方ですが、多くの寿司屋では酢締めにされ寿司タネへとされる事が多い気がします。と言うのも、前述しましたように若干水っぽく小さい魚な為、傷みやすいです。特に昔は流通技術が乏しく、いい状態でカスゴを手に入れるのも難しかった為、酢締めにされることが多かった。その名残が現代でも続いていると言うことです!

ちなみに、、
いい状態でカスゴが手に入るようになった現代では、
昆布締めにしても美味しく食べることが可能です。
僕もたまにやりますが、白板昆布と言う薄い昆布を使用して軽く余計な水分を抜いてあげると、
カスゴのポテンシャルを活かして握りタネにできます!!

寿司ダネ以外にも、少しサイズをあげれば色んな料理にも使いやすいです。

定番の煮付けもOK、酒蒸しもOK、揚げて餡掛けもOK、唐揚げもOK。

何をしても美味しくなりますし、大きい鯛より安くて手頃な為、一般家庭でも使いやすいです!

地方では郷土料理に使われていたりもします!

・福井県小浜市ー小鯛ささ漬け

福井県小浜市では小鯛を三枚におろし、薄塩にし、酢に漬けた後、樽詰めにされた“小鯛ささ漬け”が名物です。


若狭小浜 丸海 様HPより引用

https://www.wakasa-marukai.co.jp/sasazuke/

春子鯛についてのまとめ

春子鯛(カスゴ)についてまとめてみました。

いかがでしょう。少しカスゴについてご理解いただけたのではないでしょうか?釣り人の皆さん、寿司職人の皆さん、主婦の皆さん、ありがとうございました。小鯛を美味しく食べて、いい春を迎えましょう!!

では、このあたりで。