【秋と言えば】秋刀魚の特徴や豆知識【寿司】

豆知識



悩む人
秋刀魚と言えば秋ですが、なぜ秋に秋刀魚がいっぱい取れるんですか??
秋以外の季節の生態などわかりやすく教えてください。

どうも、ハマちゃんです。今日は秋刀魚について解説していきます。

ーこの記事を読むとわかる事ー
❶秋刀魚の由来と漢字について
❷秋刀魚ならではの特徴
❸秋刀魚の不漁について

【秋と言えば】秋刀魚の特徴や豆知識【寿司】

食欲の秋。この時期になると食べたくなる魚が秋の風物詩でもある「秋刀魚」です。

そして、この時期になると毎年ニュースになるのが「秋刀魚の不漁」です。

なんと今年(2020年7月)北海道東部、太平洋沿岸「流し網漁」の秋刀魚の初競り(北海道釧路市)は、1kgあたり41,040円。過去最高を更新したそうです。

また北海道厚岸町であった「棒受け網漁」の初競りでは1kgあたりの最高値が11,000円と、前年比の5倍近い値がついたそうです。ご祝儀相場とは言われていますが、異常の値がついてしまっております。この値段はもう高級魚と言われてもおかしくない値段です…

前年の初水揚げは40トンに対して、今年は900kgしか水揚げがなかったようです。

今年の出始めが例年に比べいかに数が少ないかがわかります。

ー秋刀魚の漁についてー
秋刀魚の漁についてですが、前者の「流し網漁」は秋刀魚の漁獲の1%程です。
日本の漁獲量の99%以上は、日本近海や北太平洋公海の「棒受け網漁」で取れるサンマです。

サンマ棒受網の歴史と漁獲方法 https://www.gyokyou.or.jp/sanma/sanma02/

釧路市漁業組合HPより引用

秋刀魚の由来と漢字について

ここからは秋刀魚の豆知識について軽く触れます。

名前の由来

諸説ありますが「さんま」は容姿が細長い事から、「細長い魚」を意味する「さまな(狭真魚)」から変化した説が1つ。

もう1つはさんまの習性から大きな群れで生活する事から、「大きな群れ」を意味する「さわ(沢)」と「魚」を意味する「ま」がくっついて変化した説とがよく知られています。

おそらく昔は別の名で呼ばれていたのだと思われます。

秋刀魚の漢字

これは説明がなくとも、秋刀魚を見た事がある方なら理解できると思いますが、「秋」に獲れる「刀」のような「魚」である事から、「秋刀魚」と表記されます。

完全に当て字ですが、今の時代ではこの表記を使用される事がほとんどだと思います。

大昔は「さいら(佐伊羅魚)」「さまな(狭真魚)」「さんま(青串魚)」などと読み書きされていた時代があった事がわかっていますが、今の時代では「秋刀魚」を使用される事がほとんどだと思います。

秋刀魚ならではの特徴

ここからは秋刀魚の習性や生態について触れていきます。

秋刀魚の生態

秋刀魚は日本人にとって身近な魚な為、日本近海にいる魚というイメージが強いかも知れませんが、実は秋刀魚の生息地は日本近海ではなく、ハワイの北側あたりで普段は日本近海には生息していないです。

秋刀魚は産卵の為に秋頃に南下をします。その道中で日本近海を通る為、秋〜冬にかけての時期だけ日本で水揚げされます。

秋刀魚の寿命は1〜2年と短い為、その年産まれた稚魚がどの程度生き残るかによって、資源の状況が大きく変わりやすい特徴があります。

秋刀魚の産卵

秋刀魚は他の青魚とは違い、産卵数が少なく産卵方法にも特徴があります。

鯖や、鰯は1回の産卵で数十万個の単位で産卵するのに対して、秋刀魚は一度に5000個ほどしか産卵しません。1回の産卵量は少ないですが、1年間に産む卵の総量は4~5万個。

つまり、秋刀魚は数回に分け、3~4カ月かけて産卵を繰り返すのです。

専門家の方はこの習性について分散して出産する事で生存確立をあげているのではないかと見解しています。その上、秋刀魚の卵は栄養が豊富で、生まれた時点で親魚に似ていることから死亡率が少ないなどの特徴もあると言われています。

産卵場所は日本近海の暖かい海で行われる事もある為、秋刀魚の稚魚が網に紛れて水揚げされる事もよくあります。

秋刀魚の内臓

秋刀魚は内臓も美味しく食べれる事で有名ですが、なぜ秋刀魚の内臓が美味しく食べれるかと言うと、秋刀魚には胃がないからなのです。

魚には「無胃魚」と言い、胃を持たない種類の物がいます。

胃がない為消化から排泄するまでの時間は数十分だそうです。秋刀魚漁が行われるのは夜間。基本的に秋刀魚は日中にプランクトンなどの餌を食べ、夜間は餌を食べないので私たちが食べる秋刀魚の内臓は空っぽなのです。

秋刀魚は繊細な魚

秋刀魚はとても繊細な魚です。と言うのも、前述したように秋刀魚は寿命が短い上に、鱗がすぐにはげてしまうのですぐに弱ってしまいます。実際に色んな水族館で飼育が試みられたようですが、とても難しく簡単な事ではないようです。確かに水族館で秋刀魚を見かける事はありません。

その為、資源量が減っていると言われていますが養殖業が行われることはまずありません。仮に養殖に成功したとしても、今巷で売られているような価格で販売する事はまず不可能なのだそうです。

秋刀魚の不漁について

冒頭で秋刀魚の不漁について軽く触れましたが、不漁の真実ついても触れておきましょう。

不漁の真実

不漁の要因にTV等で取り上げられるのは、「中国・韓国の乱獲」ですが、実際にはそうではないと断言する専門家の方もいます。

もちろん昔は漁をやっていなかった中国が漁を開始したりの要因等もあるようですが、それだけが不漁の原因ではないのが真実です。

と言うのも、秋刀魚は北太平洋を大きくダイナミックに回遊している為、どこにどれだけ生息しているのかを調査し把握する事が難しいと言われています。つまり、日本の漁獲量が例年より少ないからと言って秋刀魚全体の資源量が極端に減っていることを裏付ける事が難しいのです。

実際世界全体の漁獲量の多くを日本が占めているのに、日本の漁獲量が少ないからと不漁の原因を他国のせいにばかりする報道は誤解をうむのでやめるべきだと思います。

日本における秋刀魚の漁獲量は秋刀魚の来遊量に比例するそうで、単に日本近海に来遊してきていないだけで出始めに秋刀魚の値が高くても、時期が進むにつれて来遊量も増え漁獲量のおおよその予想もデータからできるそうです。

【秋と言えば】秋刀魚の特徴や豆知識【寿司】:まとめ

秋刀魚についてまとめてみました。

秋刀魚がこれからも秋の風物詩として食卓に並ぶ為にも、正しい知識を少しでも多くの人に知ってもらいたいと願うばかりです。

では、この辺で。