【冬の味覚】ズワイガニの生態やブランドについて

豆知識



どうも、ハマちゃんです。今回はズワイガニについて解説していきたいと思います。

ーこの記事を読むとわかる事ー
❶ズワイガニの習性と生態
❷ズワイガニの漁について
❸ズワイガニのブランドについて

【冬の味覚】ズワイガニの生態やブランドについて

冬を先取りという事で…今は初秋の時期ではありますが、「ズワイガニ」について。

「松葉蟹」や「間人蟹」「越前蟹」と言った地方名でよく言われますが、正式名称は「ズワイガニ」

この「ズワイ」というのは、細い木の枝のことを指す古語「楚(すわえ、すはえ)」が訛ったものとされ、漢字では「津和井蟹」とも書かれるそうです。

そんな冬の味覚の王様として名高い「ズワイガニ」はその価格や、入荷数など毎年初競りでテレビでも注目されるほどの高級食材の一つです。
日本人にとって、カニは高級食材であるというイメージがあるので日常的に食すものではなく、お正月や冠婚葬祭、お祝いなどのおめでたい席など、限られた機会で食べることが多いです。

そういった意味でも、日本人にとってカニは欠かすことができない食材の一つとなっています。 
カニというと北海道が有名ですが、「ズワイガニ」は日本海側で多く漁獲され、その多くがブランドとして名前が付けられています。

その辺りについても触れながら記事を書いていきたいと思います。

ズワイガニの習性と生態

主に成長過程〜成熟して産卵に至るまでの過程を解説します。

ズワイガニの習性

ズワイガニは深海の水温が冷たい海域(0℃〜5℃)に棲んでおり、オスとメスでは棲んでいる海域が違うと言われています。だいたい水深300mぐらいの海域に棲んでおり、普段はメスよりオスの方がやや深い場所を好むようです。

同じ海域にオスとメスがいるのは繁殖期のタイミングで、その時に交尾を行います。

ズワイガニの脱皮周期

ズワイガニは孵化したばかりのときは、大きさはわずか3ミリ程度のプランクトンですが、その後脱皮を繰り返し成体となります。成体するとオスとメスではかなり大きさが変わってきます。

約3ヶ月から5ヶ月の間は浮遊生活。

その間脱皮の度に姿を変えていきます。4度目の脱皮で浮遊生活を終え、稚ガニとなり小さいうちは半年に1度、成長するとおよそ1年に1回のペースで脱皮を行いメスは6〜7年、オスは7〜8年かけて成熟していきます。

その脱皮の回数を「第○齢期」と数えることができます。

メスのズワイガニ(親ガニ)は6〜7年の内に10回の脱皮を繰返し、第11齢期に入ったカニで甲羅の幅が役7.5センチ位まで成長したもの。メスのズワイガニは第11齢期以上脱皮はせず、その後はずっと卵を産み育てて過ごします。

オスのズワイガニ(松葉ガニ)は第10齢期から第11齢期の間で大きく成長し、メスの倍近くの大きさになります。そしてオスのなかには更に脱皮をしていくものをいるようです。

ズワイガニの産卵

第10齢期(生まれて6〜7年)の脱皮を終えたメスのズワイガニは徐々に卵巣(内子)が発達し始めます。

発達し始めの卵巣は白く小さいのですが、徐々に発達していき脱皮をした翌年春頃にはオレンジ色に変わり大きさも大きくなっていきます。

卵巣が発達・成熟しきったズワイガニは第11齢期の脱皮(最後の脱皮)を迎え、オスと交尾をしたらすぐ産卵し、そこからおよそ1年半卵をお腹に抱えて生活します。

1年半後に卵が孵化したら、またすぐに産卵しお腹に卵を抱えます。

つまり、卵が孵化したら1週間ほどですぐにまた卵を抱えるので、卵を抱えていない成熟したメスにお目にかかることはほとんどないのです。最後の脱皮を終え一度交尾をしたメスは卵を産卵・放仔しては、また産卵を繰り返し生涯卵を産み続けるようです。

なぜそんなに連続で卵を産み続けられるかと言うと、1度交尾を行ったメスのズワイガニはその1度の交尾で体内に精子を貯蔵できる「受精のう」と呼ばれる器官が備わっているおり、メスガニはその受精のうのストックがあれば3〜5年は交尾をせずとも卵を産み続けられるようになっています。

しかし、受精のうにストックした精子では受精率が下がることが研究でわかっており、効率的な繁殖をするには毎年新鮮な精子で受精する方が良いそうです。

産卵期

ズワイガニの産卵時期は2度あります。

1つの時期は夏季から秋季にかけての時期(8~11月頃)、もう1つの時期は冬季(2~3月頃)です。
この2つの産卵は、メスガニの生涯の産卵回数から前者を「初産卵」、後者を「経産卵」と呼びます。

初産卵

メスガニの生涯初めての産卵を「初産卵」と言います。

経産卵

夏季〜秋季に初産卵を終えたメスガニはお腹に卵を抱えておよそ1年半過ごします。

つまり翌々年の冬季にお腹の卵が孵化するのですが、卵が孵化するとすぐにまた卵を産みます。この時の産卵のことを「経産卵」と言います。

この時産卵した卵が孵化するのは、翌年の2~3月頃(約1年)です。

この孵化が終わるとまたすぐに次の産卵を行い、このときの産卵も「経産卵」と呼んでいます。このようにその後もメスガニは毎年の2~3月頃に産卵(経産卵)を行い、生涯に5~6回程度の産卵を行い寿命となります。

ー両者の違いー

初産卵から卵が孵化するまでの期間が1年6ヶ月前後。それに対して経産卵から卵がふ化までの期間は約1年間となっており、産卵〜孵化までの期間が半年も違います。

色んな要素があってこの差が生まれるのでしょうが、今のところそのメカニズムは解明されていないそうです。

ズワイガニの漁について

地域によって違いはありますが松葉蟹の場合、漁は毎年11月〜3月頃まで行われます。

解禁日

例年、解禁日は11月6日です。

なぜ11月6日なのかというと一番有力な説は「立冬(りっとう)」だからだと言われています。

立冬とは、二十四節気の中の一つで、「冬の始まり」を意味します。要は「冬の始まり」=「カニ」を連想しやすくするために11月6日に設定したのではないかと言われています。

カニの資源保護のため毎年11月6日から3月20日までが漁期となっています。メスガニの漁期はさらに短く11月〜1月の2ヶ月間となっいています。

【メスガニの漁期】11月6日~翌年1月10日

【オスガニの漁期】11月6日~翌年3月20日

ちなみに北海道を始めとする北陸より北日本では、10月1日解禁の5月末までが漁期となります。11月6日に解禁なのは、越前ガニと松葉ガニと思っていただいていてよいです。

漁法

ズワイガニは荒波の沖合いで、底曳き網漁で漁獲されます。

操業期間は11月〜3月のおよそ4ヶ月間で、この間に15~99トンの大型漁船に6~11人が乗り組み漁が行われます。水深200m〜500mにいるズワイガニは魚群探知機で見つけることが困難なため、過去の操業データをもとに網を下ろす場所を割り出し、カニの群れを探すそうです。

群れが見つかれば昼夜を問わず、網を投網、引き揚げ、甲板に揚がったカニを種類、大きさごとに分別して、それぞれ箱に詰め…そして休憩……と、こんな作業を繰り返し行う為、肉体的にかなりハードのようです。。。

ちなみに収入は歩合制で、水揚げ金額が多ければ多いほど収入が増えるそうです。また、年功序列ではなく、新人もベテランも同じ配当がもらえるとのことです。

一方、水揚げが悪く、一定の賃金に達しない場合の措置として、国が定めた保障制度により最低賃金が保証されています。

漁獲量の制限(松葉ガニ)

鳥取県や兵庫県の漁業関係者による独自の取り組みで1航海あたりの漁獲量の制限が定められています。

これらは年々漁獲量が下がっていく中でのカニの資源管理を目的としており、「日本海ズワイガニ特別委員会」での協議のもと定められています。

令和2年松葉蟹若・松葉ガニ
日帰り船3,500匹300匹
1晩泊まり船6,000匹500匹
1航海船12,000匹1,000匹

・「日帰り船」ー 出港から帰港まで24時間以内のもの。

・「1晩泊まり船」ー 出港から帰港まで48時間をこえないもの。

・「1航海船」ー 出港から帰港まで48時間以上のもの。

ズワイガニのブランドについて

ここからはズワイガニの中でもブランドをピックアップして解説したいと思います。

松葉ガニ

松葉ガニと呼ばれる兵庫・京都・山陰地域のズワイガニはその中でもさらに、漁港や地域事に規格が設けられており、それぞれタグが分けられてブランド化されています。

タグの取り付けに関しては、各地域の漁連によって規定が異なります。サイズ、足の有無、脱皮後の期間など美味しい蟹の条件として必要な規定が設けられています。

間人(たいざ)ガニ

間人ガニは京都府丹後町の間人漁港で水揚げされる松葉ガニの中でも最高峰に位置づけされる高級ブランドガニです。

みどり色のタグがつけられます。

特徴は漁港から漁場までの距離が近い為、日帰り漁で漁が行われています。

その為鮮度が抜群である事と、漁船の中にもカニが好む水温に保たれた水槽などを完備されており、カニへのストレスが限りなく少ない状態で市場に出回ります。

また、稼働する漁船の数が少ない為、間人ガニとして出回る数も限られ希少価値が高い事が挙げられます。

津居山(ついやま)ガニ

津居山ガニは兵庫県豊岡市・津居山港で水揚げされる松葉ガニです。

あお色のタグがつけられます。

シケに強い大型船と、日帰りの小型船とがどちらも操業している為、安定した漁獲量とカニの鮮度の良さ、2つの強みがあります。近年は鮮度を求められる傾向にある為、大型船も鮮度優先で早めに帰港するようになっているそうです。

柴山(しばやま)ガニ

柴山ガニは兵庫県美方群・香美町(みかたぐん・かみちょう)の柴山港で水揚げされる松葉ガニです。

ピンク色のタグがつけられます。

カニのランク選別は100種類以上あるそうです。活ガニにこだわる徹底した品質管理が自慢です。

漁業関係者が認めた、重さ1.35kg以上の最高級品には「柴山ゴールド」タグがつけられます。全国的にも有名なブランド蟹で、「柴山ゴールド」は3000枚に1枚あがるかどうか。姿・形・身詰まりなどパーフェクトな柴山ガニです。

ー香住港・松葉ガニー

香住港で水揚げされる松葉ガニですが、少しややこしく「香住ガニ」とは呼びません。「香住ガニ」と名をつけて呼んでいるのは別の種類の「ベニズワイガニ」です。

香住ガニと言えば香住港で水揚げされる「ベニズワイガニ」

香住港松葉ガニと言えば、香住港で水揚げされる「ズワイガニ」

タグはみどり色のものがつけられます。

そんな香住港松葉ガニの中でも重さ1.4kg以上などの厳しい基準をクリアした個体を「香住PREMIUM」と呼び、別のタグがつけられます。

浜坂ガニ

浜坂ガニは兵庫県新温泉町の浜坂港で水揚げされる松葉ガニです。

白色のタグがつけられます。

隠岐(おき)松葉ガニ

隠岐松葉ガニは島根県隠岐諸島で水揚げされる松葉ガニで、あお色のタグがつけられます。

隠岐諸島周辺で「かにかご漁」で漁獲されます。「かにかご漁」で水揚げされる為、傷みが少ないのが特徴ですが、ほとんど市場では見かけません。。

鳥取松葉ガニ

鳥取松葉ガニは鳥取の各地漁港で水揚げされる松葉ガニで、白にあか文字のタグがつけられます。

中でも重さ1.2kg以上、甲羅幅13cm以上など5つの基準をクリアした「五輝星(いつきぼし)」と呼ばれる個体があり、2019年の初競りで500万の値がつき世界で最も高いカニとしてギネス記録に認定されています。

越前ガニ

越前ガニは福井県の越前漁港で水揚げされるオスのズワイガニです。

黄色のタグがつけられます。

2018年からタグに「GI」マークが表示されました。これは国が産地と品質を認めた農林水産物だという証です。さらに重さ1.5kg以上で高品質のカニには、「極」タグがもう1つ追加されます。

「極」タグのつく個体はおよそ1000匹に1匹と言われています。

芳ガニ(ヨシガニ)

芳ガニは山形県庄内浜で水揚げされるオスのズワイガニです。

白いタグがつけられます。

加能ガニ

加能ガニは石川県の金沢港、橋立港、輪島港で水揚げされるオスのズワイガニです。

水色のタグがつけられます。

石川県では特にオスのズワイガニだけでなく、メスのズワイガニ(香箱ガニ)も珍重されています。

【冬の味覚】ズワイガニの生態やブランドについて:まとめ

あと少しで2020年もズワイガニの解禁を迎えます!

寿司屋にも美味しいカニを求めてお客様がたくさん来られますので、今回解説した事をより噛み砕いてお客様に情報提供しつつ、カニの価値を伝えて行けたらと思います。

ぜひ、この冬!冬の味覚の王様である「ズワイガニ」を求めて色んな産地やお店に足を運んでみてください!

では、この辺で。